店頭用POP配布
店舗様向けに、本ページで紹介している農家の店頭用POPを配布しています。
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2018年、茨城県鹿嶋市に移住・新規就農し、「安心野菜KEITA」を営む七帖 計太(しちじょう けいた)さん。ご家族、そして地元のパートさんたちとともに、ニンジンやタマネギなどの根菜類を中心に有機栽培で野菜を育てています。以前は東京の飲食店で働いていた七帖さん。農業に興味を持ったきっかけはお店で扱っていた日本酒の原料・酒米でした。田植えや援農を体験して農業の楽しさに目覚め、休日に農業学校に通うようになってからしばらくして、本格的な就農を志すように。農業学校で講師をしていた神奈川の有機農家さんのもとで、2年間農業研修を受けました。
その頃はちょうど一番上のお子さんが生まれたばかり。44歳からの新たな挑戦の原動力となったのは、「生まれてくる子どもたちに、安心できる野菜を食べさせたい」という想いでした。元々飲食業で素材の大切さを実感していた七帖さんは、手間がかかっても、農薬をできるかぎり使わない有機栽培を続けていく決意とともに、独立・新規就農を果たしました。鹿嶋市での就農を決めたのは、お父さんの仕事の関係で中学・高校と鹿嶋で暮らした縁もあってのこと。友人たちが地元に残っていたわけではありませんでしたが、友人のご家族や近所の方が覚えてくれていて、農地や納屋を借りる際も多くの方が協力してくださいました。
現在は合計1.2haほどの農地で、ニンジン、サツマイモ、タマネギ、ダイコン、ニンニクなどを露地で栽培する七帖さん。有機農業では虫害はつきものですが、「外見も味も良いから有機野菜を選ぶ」という世の中にならなければ有機農業は広まっていかない、と七帖さんは考えます。
「そもそも虫が来ない野菜はないですが、健全な野菜には虫は寄って来づらいんです。その土地が作物の条件に合っていないと虫が来る原因になりますし、栄養不足で生育が遅くなると、老化がすすんで虫が来るようになります。健全な野菜を、健全なうちに収穫すれば、農薬を使わなくても形も味も良い野菜が収穫できますよ」と七帖さん。
とはいえ慣行栽培よりも収量も少なく、作付や除草などの手間もかかる有機栽培を続けていくのは試行錯誤の連続でもあります。1年目は30品目ほどの多品目で野菜セットを作り、通販を中心に販売していましたが、その年はなんと1年に3回もの台風が畑を襲うという結果に…。こうした経験も手伝って、現在はニンジンやタマネギなど、災害に強く貯蔵性も高い作物に絞って栽培する方針に落ち着きつつあります。安定した出荷のおかげで、生協などのまとまった量を買い取ってくれる取引先への供給もできるようになりました。
鹿嶋を「地元でずっと暮らしていける場所」にするには、更なる雇用とビジネスの創出が不可欠。七帖さんは現在、移住者も地元の人も一緒になって、鹿嶋の未来のために活動する団体「まちづくり鹿嶋」に参加し、様々なアイデアを検討しています。例えば、流行りのグランピング施設に畑を併設して収穫体験が楽しめる場所を作ったり、観光農園などにも挑戦できたらいいね、などと話しているのだとか。
七帖さんの畑では、鹿島神宮の鹿ふんの堆肥で育てたニンジンの栽培や、慣行栽培が大半を占めるさつまいもの有機栽培にも挑戦しています。昨年初めて収穫したさつまいもで作った焼き芋の凝縮された甘みとホクホクの食感に、手応えを感じたそうです。ゆくゆくはデパートの野菜売り場に並ぶような、「ブランド野菜」に育てていけたら、と考えています。
「就農したばかりの頃は周りに有機農家はほとんどいませんでしたが、だんだんと時代の風向きがこちらに向きつつあると感じています。今年は農家としてしっかり地固めして、周りの人を助けられるような存在に成長していきたいですね」。就農して5年目を迎える七帖さん夫婦の眼差しは、鹿嶋の明るい未来を見つめていました。
代表者:七帖 計太
住所:茨城県鹿嶋市田谷504-2
Instagram:@anshinyasai_keita
主な栽培品目:ニンジン、サツマイモ、タマネギ、ダイコン、ニンニク、落花生など