農家紹介

つくばいしだファーム
つくばの有機農家のパイオニアとして畑を広げ、土を育て、人を育てる。

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つくばの有機農家のパイオニアとして畑を広げ、土を育て、人を育てる。

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店頭用POP配布

店舗様向けに、本ページで紹介している農家の店頭用POPを配布しています。
下記「プリントする」ボタンをクリックするとブラウザの印刷ダイアログが表示されますので、ご自由にプリントアウトしてご活用ください。

父が始めた有機栽培を受け継ぎ、カーディーラーから転身

茨城県内でも有機農業が盛んな地域であるつくば市。石田農園の代表を務める石田真也(いしだ しんや)さんは、代々続く農家です。お父さんの代まではこのあたりでよく栽培されていたタバコ葉を慣行栽培で育てていましたが、時代の流れとともに野菜へと栽培品目を切り替え。その際にお父さんが選んだのが有機栽培でした。

 

お父さんは1980年代から有機栽培をスタート。有機JAS認証が制定されたのは2001年なので、現在のつくば市の有機農家さんの中でもかなりの年数、有機栽培を続けています。そのため、つくば市の有機農家さんで石田農園さんを知らない人はいない、とか。

 

農家を継ぐ前はカーディーラーで働いていた石田さん。最初は継ぐ気はありませんでしたが、もともと食べることが好きで、食べ物という決してなくならないものを作る仕事に興味を持ちました。35歳の時に農家へ転身。それまでも繁忙期などに手伝いはしていたので、仕事自体に戸惑いを覚えることはなかったですが、土づくりの方法や栽培品種など、あらゆる面から見直しを行いました。

 

「趣味は土づくり」という石田さんは、お父さんの代から作っている、近くの酪農農家さんからいただいた牛糞とEM菌(土壌を活性化するといわれる有用微生物群)から作った堆肥や、近くの食品工場で出る端材のさば節などの食品残渣を活用した発酵堆肥、カキ殻や石を砕いたミネラル分補給のための石灰など、手に入る範囲の副産物から有機肥料をつくり、土づくりに活かしています。

一番の広告塔は「調味料いらずの野菜」

自慢の肥料で耕した畑で育った野菜たちは、お客さまから「調味料いらずの野菜」と言われる、うま味の詰まった野菜です。年間収穫量60トン、農園の中でも一番多く作付している玉ねぎは、スライスするだけで水にさらさずに食べられる甘みが特長。トマトよりも糖度が高く、「柿より甘い」と評判のにんじんは、皮ごとジューサーにかければ美味しいジュースに。都内の高級スーパーに毎日出荷されているベビーリーフは、塩とオリーブオイルだけで美味しいサラダになると評判です。なんと、あの国民的な人気を誇る芸能人ご夫妻もワインと一緒に買って行かれるほど、スーパーの中でも定番の人気商品だとか!

 

美味しい野菜があれば、特に宣伝しなくても評判を聞きつけてお客さまが集まるもの。2021年から栽培をはじめたさつまいもは、畑で焼き芋を作って販売したところ大評判で、ご近所の方は毎年楽しみにされているそう。

 

こんな話を聞くと「石田さんならどんな野菜でもおいしく育てられるのでは?」と思ってしまうのですが、有機栽培は自然に左右される仕事。うまくいかないことも多々あります。実はつい最近まで、石田農園の看板商品は、生でもおいしく食べられるとうもろこしでした。しかし鳥獣被害が絶えず、栽培を辞めることに。近所の方も残念がっていましたが、苦渋の決断でした。

 

有機栽培の野菜がほとんどなかった時代は、多少見た目が悪くても売り物になることもありましたが、「今は有機というだけでは売れない時代になってきている」と石田さん。「美味しいものを作らなければ、次はない」という気概を持って、もっと土作りの勉強をしていきたいとおっしゃいます。

研修大歓迎。つくば市の有機農業をもっと広げたい

つくば市の有機農家のリーダー的存在でもある石田さんの今後の目標は、ずばり「人を育てる」こと。「有機農家は技術を持っている人がたくさんいるので、次の世代の人たちへ惜しみなく技術を伝えて、美味しい野菜を作ってもらえる人を増やしたい」と語ります。

 

今年は新規就農者2名を含めて4名で、新しい農地での栽培もはじめます。その広さはなんと東京ドーム4つ分、およそ18ヘクタール。耕作放棄地になる前は、つくば市が現在も日本一の生産量を誇る、芝の栽培をしていた畑でした。芝畑は土が固く痩せており、土の量も減ってしまうため、野菜づくりに適した畑にするにはかなりの労力がかかります。しかし、高齢化に伴い廃業していく農家が後を絶たず、耕作放棄地が増えている今、地域の環境を守るためにも、既存の農家が率先して農地を広げていくしかありません。

 

また、石田さんは積極的に農業研修生の受け入れも行っています。今も研修中の方が2人いらっしゃって、毎日のベビーリーフの収穫や出荷のほか、野菜たちの収穫や選別、袋詰めなどの作業を手伝ってくれています。就農希望者の研修以外にも、つくば市内の大学サークルの学生さんや、障がいなどを抱えた方が農にふれ合い、就労する機会を経て社会参画を推進する取り組み「農福連携」のプログラムとして参加する方など、有機農業に興味を持つ人々が、多方面から石田さんのもとで仕事を学ぼうと集まっています。 

 

「美味しい野菜を作っていれば、みんなに喜ばれるし、人が集まってきます。研修はいつでも大歓迎です。若い人に技術を教えて、農業を継いでもらうことで、これ以上耕作放棄地が増えていかないようにしたいですね。一緒につくばの有機農業を盛り上げましょう!」

 

つくばの有機農業のパイオニアとも言うべき石田さんは、農業一年生みんなのお父さんのような、優しくて大らかな笑顔の持ち主でした。

生産者情報

つくばいしだファーム

代表者:石田真也
住所:茨城県つくば市上郷7908-1
HP: http://ishida-farm.com
主な栽培品目:にんじん、玉ねぎ、ベビーリーフ、さつまいも、じゃがいもなど