農家紹介

カモスフィールド
私たちは「微生物のお世話係」。微生物が野菜を作る、独自の世界を 構築しています

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店頭用POP配布

店舗様向けに、本ページで紹介している農家の店頭用POPを配布しています。
下記「プリントする」ボタンをクリックするとブラウザの印刷ダイアログが表示されますので、ご自由にプリントアウトしてご活用ください。

有機栽培農業の奥深さを語るとき、最初に思い浮かぶのは土。その土を生命力溢れるもの
に変えるのが微生物たちです。オーガニック野菜作りを軸に活動する農業法人 株式会社
カモスフィールドの大橋社長と農場長の横山さんにお話を伺ったのですが、二人が語る世
界は、土壌という見えない世界で繰り広げられる微生物の物語そのものでした。


農業を始めたきっかけ 〜都会育ちが土に惹かれる理由〜


「農業をやろうと思ったのは、会社員時代に感じた“田舎で起業したい”という想いからで
す」。元々、商社に勤めていた大橋さんが農業を選んだ背景には、かつてサーフィンで訪
れた茨城の自然と人々の温かさがありました。「他の農家さんで研修していた時に、農薬
や化学肥料に頼らない何か別の方法を探していました。そんな時に『微生物の力を活かし
た炭素循環農法』というものをたまたまネットで見つけたんです。他の農家さんとは違う
道を歩みたいという想いが強かったですね」。


一方、横山さんもまた微生物への関心が農業の原点です。「後で知ったんですが、社長と
同じホームページを見てました(笑)。微生物が働く仕組みを知り、これしかないと思っ
たんです」。こうして始まった有機農業は、まさに土壌改良と微生物の共生を生かす試み
そのものでした。

しかし、最初からすべてが順調だったわけではありません。横山さんは、「始めた当初
は、微生物の働きや土の状態をどう把握するか、手探りの連続でした」と語ります。「で
も、その経験を通じて微生物と作物がどのように共生するのかを学ぶことができまし
た。」みなさんにとって失敗は成長の糧であり、今ではその失敗談も笑い話になるほどだ
そうです。


土を醸す 〜微生物との共生が生む豊かな作物〜


“かもす”という社名が示す通り、カモスフィールドでは土を発酵させることに力を注いで
います。「微生物は私たちのパートナーです。彼らの衣食住を整えることが私たちの仕
事」と横山さんは微生物を人に例えながら、土作りのエピソードを教えてくれました。


「微生物には餌が必要です。でも、入れすぎると雑草が爆発的に生える。初めて木のチッ
プを山ほど入れた時は畑が草だらけになりました。」横山さんは失敗談を笑いながら語り
ます。けれど、この失敗から得た知識が、今の安定した農法へと繋がっています。


さらに、「微生物が土の中で働きやすい環境を整えることで、作物も自然と力強く育つ」
と言います。たとえば、キノコの培地で使用されたおがくずを微生物の餌として活用し、
土壌をより健康的に改良する取り組みも行っています。


特に印象的だったのは、畑の状態を「微生物の声を聞く」感覚で判断しているというので
す。「畑の土がフワっと油のような匂いを出しているとき、それは調子がいい証拠なんで
す」横山さんの言葉は、微生物を感じ取る独自の感覚を物語っています。

野菜の美味しさが生み出す数々のサプライズ


「御社の野菜を食べた人からの反応はどうだったか」という質問に対する回答の中で印象
的だったのは、小松菜を使ったスムージーの話でした。「飲んだ人が『いつもは苦いのを
我慢するのに。こんなに甘くてクリーミーな小松菜スムージー、飲んだことがないよ!』
と驚いてくれるんです。」と横山さん。微生物が育てた野菜は甘みや栄養価が高く、消費
者にも大人気のようです。


また、カモスフィールドの野菜は、病気や害虫に強いのも特徴です。微生物と作物が共生
することで、自然な抵抗力が生まれるのだとか。横山さんは、「土がしっかりしている
と、作物が密集していても病気が蔓延することはありません」と自信を見せます。


さらには、「収穫のタイミングを遅らせても野菜が不味くならない」と語る大橋さん。こ
れは、土壌環境が整っているからこそ実現できることで、通常の農法では考えられない現
象だと言います。

「楽しくて、稼げるオーガニック」を未来へ繋ぐために


「生産だけでなく、次世代の担い手を育てることにも力を入れています。有機農業は未来
を担う若い世代にとって、新しいキャリアの選択肢になりますよ」と大橋さん。また、次
の世代へのメッセージとして、「有機農業の楽しさや可能性の大きさをもっと知ってほし
い」と横山さんは語ります。「微生物の力を借りれば、自分たちの努力が自然と形にな
る。その喜びを共有したいんです」。

実際に、同社を卒業した若手農業者が独立して活躍している例もあるそうですが、実績を
作っていくのはこれからだとのことでした。


「私たちの農業は野菜を育てることではない。土と微生物を育てることが仕事なんで
す」。大橋さんのこの言葉が、“カモス”全体を象徴しているのだと、そして、みなさんの活
動は、単に有機栽培農業を広めるだけでなく消費者の意識と未来の農業のあり方を変えて
いく力になるのだと確信しました。

生産者情報

カモスフィールド

代表者:大橋 正義

住所:〒 309-1633 茨城県笠間市本戸2295番地

URL:https://kamosfield.com

主な栽培品目:小松菜、ミニトマト、ほうれん草、春菊 など